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鹿屋基地の零戦52型(鹿児島県) [大戦機と模型]

零戦52型 鹿屋基地
鹿屋航空基地は鹿児島県鹿屋市に所在する海上自衛隊の基地である。基地内にある史料館は、航空機の発展に関する史料と共に、旧海軍航空隊の軌跡が紹介されており、ここに零式艦上戦闘機52型が展示されている。この零戦は、1992年に垂水市まさかり海岸沖から回収された中島製21型と、同年に加世田市吹上浜沖から引き揚げられた52型丙を、海上自衛隊鹿屋工作所で52型に復元したものである。

鹿屋航空基地史料館の零式艦上戦闘機52型(A6M5)。
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史料館内は撮影不可であるが、この零戦だけは撮影可である。

零式艦上戦闘機は、昭和12年(1937年)堀越二郎技師を設計主任として三菱重工にて開発が進められ、昭和15年(1940年、皇紀2600年)海軍に制式採用された。第二次世界大戦を通して海軍の主力戦闘機であり、幾多の型式を持つ。堀越二郎/奥宮正武共著「零戦」に詳しい。

零式艦上戦闘機の製造は三菱重工と中島飛行機(現:SUBARU)で行われ、三菱で3,880機、中島で6,545機と合わせて10,425機が製造された。

零戦52型は全幅11.0m、全長9.121m、全高3.509m、全備重量2,743kg、最高速度は302kt(559.3㎞/h)高度6,000m、兵装は7.7㎜と20㎜機銃が各2挺である。
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発動機は栄21型空冷14気筒1,100馬力、プロペラは住友ハミルトン型恒速式(発動機回転数でピッチ変更の定速回転プロペラ)、燃料は本体に570ℓ、落下式増槽は320ℓ、航続距離は3,350㎞と長大である。

零戦52型は機体後方の塗り分けが、三菱製と中島製で異なる。
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中島製は機体下部の灰色塗装が水平尾翼と繋がる塗り方。

艦上戦闘機であるので着艦フックが装着されている。
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復元にあたり、所属を示すマーキング等は施されていない。

操縦席と98式射爆照準器。                   (Adobe Stock my portfolioに掲載)
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鹿屋基地は帝国海軍の航空基地であり、神風特別攻撃隊の出撃基地でもあった。
小説「永遠の0(百田尚樹著)」で主人公・宮部久蔵が最後の出撃をする基地が鹿屋海軍航空基地、ここで搭乗する機体を52型から21型に交換する、これが物語の重要な挿話となる。52型の搭乗員は機体故障のため、攻撃隊から離脱、生き残る・・。

大戦中、鹿屋海軍航空基地からは908名の特攻隊員が出撃したと云う。

鹿屋航空基地史料館には、特攻隊員の遺影や遺書等も展示されている。
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後ろに写っているのはHSS-2A哨戒ヘリコプター、和名「ちどり」。

鹿屋航空基地付近地図


(2017年12月下旬 撮影機材 Nikon1 J5)
関連ブログ:三菱重工名航史料室(愛知県)零戦52型甲
読んだ本(Amazonの該当頁へ):堀越二郎/奥宮正武共著「零戦」百田尚樹著「永遠の0」
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