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横須賀海軍施設(神奈川県)Dry Dock [軍事遺構]

横須賀海軍施設「Dry Dock」
横須賀海軍施設とは米海軍横須賀基地(U.S. Fleet Activities Yokosuka FAC3099)のこと。
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ここは、慶応元年(1865年)幕府により横須賀製鉄所が設けられ、明治になり横須賀造船所に、明治35年(1903年)以降は帝国海軍により横須賀海軍工廠として使用された。昭和20年(1945年)敗戦後は米軍により接収され現在に至る。日本政府の公的資料では横須賀海軍施設と呼称されるらしい。

現在も基地内には幕末に建設された大型艦船用「Dry Dock」が残っており、かつ使用されている。今回、横須賀市観光協会主催の「日米親善ベース歴史ツアー」に参加して、基地内の「Dry Dock」を見学した。

日本最古の「Dry Dock #1(DD1)」1号ドック。
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明治4年(1871年)完成。全長137m、幅29m、深さ9m。

幕末における建設には、フランス人技師レオンス・ヴェルニーと幕府勘定奉行の小栗上野介(忠順)が深く関与している。ヴェルニーは米軍基地の向かいにある「ヴェルニー公園」にその名を残すが、小栗上野介は明治4年(1871年)官軍により捕縛され、取調べも受けぬまま斬首された・・。

「Dry Dock #2(DD2)」2号ドック。             (Adobe Stock my portfolioに掲載)
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明治17年(1884年)完成。全長156m、幅32m、深さ11m。

ドックの製造にあたってはフランス技師の設計によるため、日本で初めてメートル法が使われている。帝国海軍は英海軍を模範としているが、長さの単位は一貫してメートル法を守った。日本で正式にメートル法が実施されるのは昭和34年(1959年)からである。

基地内を奥に進むと「Dry Dock No.6」6号ドックがある。
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昭和15年(1940年)完成。戦艦大和・武蔵に次ぐ三番艦製造のため造られ、完成後すぐに戦艦信濃の
起工が始まったが、ミッドウェー敗戦に伴い「空母」信濃への製造変更となった。昭和19年(1944年)竣工した「空母信濃」は追加工事のため呉海軍工廠に回送、途中、米軍の魚雷攻撃により沈没した。竣工後10日であった。全長365m、幅67m、深さ17mの大型ドックであるため、現在も米軍空母用のドックとして使用されている。

幕末から昭和にかけて造られた船渠(ドック)がみられるのは、この横須賀海軍施設だけであると云う。
明治に造られたドックには「日本遺産(Japan Heritage)」の看板が立てられていた。

横須賀海軍施設付近地図


(2022年10月上旬 撮影機材 Nikon Df )
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