SSブログ

紫電改展示館(愛媛県) [大戦機と模型]

紫電改展示館
愛媛県南宇和郡のリゾート施設「南レク」の公園内に「紫電改展示館」があり、日本で唯一現存する「紫電改」が展示されている。「紫電改」は旧海軍の局地戦闘機「紫電」(N1K1-J)の改良型で、昭和20年1月に「紫電21型」(N1K2-J)として兵器採用されている。製造は川西航空機(現在の新明和工業)である。
DSC_1129-10bc8.jpeg

川西航空機は飛行艇、水上偵察機に経験が深く、「紫電」も昭和18年12月に兵器採用された水上戦闘機「強風」(N1K1)を改修し、局地戦闘機を短期間で開発しようと図ったものである。「紫電」は昭和19年10月に兵器採用されているが、開発時より水上機のような主翼の中翼形式による不具合が問題となっており、主翼を低翼配置に変えた「紫電21型(紫電改)」の開発へと繋がっていく。

紫電改は、第343航空隊(通称「剣」部隊)に多く配備されて組織的に運用された。第343航空隊(剣部隊)は昭和19年12月に横須賀基地で編成後、松山、大分、出水の各基地で練成に入り、昭和20年1月には松山基地に集結した。戦争末期には鹿屋基地に移動している。

「紫電改展示館」に展示されている機体は、昭和53年11月、愛媛県南宇和郡城辺町久良湾の海底40mに原型のまま沈んでいるのを発見され、翌年7月に引き揚げられた機体である。
DSC_1119.jpeg

この機体は第343航空隊で、昭和20年7月に豊後水道上空で交戦した一機とみられている。
DSC_1137-d2b9b.jpeg

腐食がひどく、付着物の除去等、最低限の処置を施した状態での展示。プロペラも着水時の衝撃で曲がったままの展示である。
DSC_1127-0bf0b.jpeg
機体正面には、この時に戦死された方々の遺影が飾られており、紫電改が鎮魂碑となっている。
DSC_1131-4d41a.jpeg

ちばてつや著「紫電改のタカ」の色紙も展示されていた。主人公の滝城太郎は松山出身の設定。
DSC_1136.jpeg
我々世代は、この漫画で「紫電改」に特別な思いを抱くようになった・・かな。

「紫電改」仕様
全長9.34m、主翼11.99m、高さ3.9m、装備重量4.86t、最高速度620km/h、離昇出力2,000hp、兵装20㎜機銃×4、自動空戦フラップ装備

川西航空機は独自の「自動空戦フラップ」を開発しており、「強風」「紫電」「紫電改」に実装されている。「自動空戦フラップ」とは、空戦時に機体速度と荷重(G)に応じて自動展開されるフラップである。これにより、旋回半径を小さくし、急激な方向転換が可能となる。

フラップは主翼の付け根。
IMG_1359-2555c.jpeg

後ろからの眺め・・。
DSC_1133-30a4f.jpeg

紫電改展示館入口付近には「紫電改」の石碑がある。       (Adobe Stock my portfolioに掲載)
DSC_1142-65857.jpeg

紫電改展示館付近地図


紫電改展示館の入館は無料。
松山空港からレンタカーで向かったけど、遠い・・2時間はかかる。

(2017年6月中旬 撮影機材 Nikon1 J5)
読んだ本(Amazonの該当頁へ):「紫電改のタカ」ちばてつや著
nice!(0)  コメント(0) 
共通テーマ:趣味・カルチャー

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。